「ランディングページへ流入しているのにコンバージョンに結びついていない」「どうすれば広告のCVRを改善できるのか分からない」といったお悩みを抱えているのではないでしょうか?
広告のCVRは様々な要因で変動するため、現状を正確に把握することで原因を特定し、改善する必要があります。
この記事では、WEB広告におけるCVRの概要と計算方法、改善する方法について解説します。
目次
WEB広告におけるCVRとは
WEB広告におけるCVRとは、広告のセッション数もしくはユーザー数に対するコンバージョン数の割合です。広告を出稿することでどのくらいの効果が出たのかを測定する指標として利用されています。
CVRを高めることで、広告出稿費用が同じままでもコンバージョン数を増加させることができるため、広告の費用対効果を高めることが可能です。
コンバージョンとは
コンバージョンとは、広告を出稿する企業・担当者が設定した、広告を出稿することで獲得したいと考える指標です。
WEB広告では、主に以下のようなさまざまな指標がコンバージョンとして設定されています。
コーポレートサイト サービスサイト |
問い合わせ件数 ホワイトペーパーダウンロード数 メールマガジン登録件数 |
ECサイト | 会員登録数 商品サンプル出荷数 商品の購入数 |
予約サイト | 会員登録数 予約申込件数 |
計算方法
WEB広告のCVRは、以下の計算式で算出されます。
CVR(%)=コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100 |
リスティング広告を出稿した結果、広告が10,000回クリックされ、問い合わせを50件獲得し、ホワイトペーパーが300回ダウンロードされた場合、CVRは以下のようになります。
問い合わせに対するCVR
50件÷10,000回×100=0.5%
ホワイトペーパーダウンロードに対するCVR
300回÷10,000回×100=3.0%
上記のように、同じ広告であっても、どの指標をコンバージョンに設定するかによってCVRは異なります。
WEB広告のCVRを改善する方法
WEB広告のCVRを改善する方法は以下の通りです。
- ターゲットを見直す
- 除外キーワードを設定する
- 広告を出稿する媒体を見直す
- ランディングページを最適化する
- 入力フォームを最適化する
- ABテストを実施する
ターゲティング設定を見直す
WEB広告のCVRは、ターゲティング設定を見直すことで改善できます。
たとえば、20代女性向けの商材に対して年齢や性別を指定せずに広告を出稿すると、50代の女性や20代の男性にも広告を配信することになってしまいます。
商材のターゲット以外に対しても広告を出稿する分だけ、余計に広告費が発生することになるということです。
改善前
ターゲット | セッション数 | コンバージョン数 | CVR |
20代女性 | 2,000 | 100 | 5.0% |
30代 | 2,000 | 20 | 1.0% |
40代 | 2,000 | 0 | 0% |
50代 | 2,000 | 0 | 0% |
計 | 8,000 | 120 | 1.5% |
改善後
ターゲット | セッション数 | コンバージョン数 | CVR |
20代女性 | 4,000 | 200 | 5.0% |
30代 | 4,000 | 40 | 1.0% |
計 | 8,000 | 240 | 3.0% |
上記のように商材に興味を持つユーザーだけに広告を配信することで、CVRを高めることができ、広告出稿費用はそのままでコンバージョン数が増加します。
【関連記事】
SNS広告で使用されているターゲティング方法について解説
除外キーワードを設定する
リスティング広告では、除外キーワードを設定することで広告を配信するターゲットを絞り込み、CVRを改善できます。
除外キーワードとは、Google広告やYahoo!広告のリスティング広告で、特定のキーワードを含むキーワードで検索された際に、広告が表示されなくなる機能です。
たとえば、「スカート コーデ」というキーワードでリスティング広告を出稿している場合、以下のようなキーワードに対して広告が配信されます。
- スカート コーデ 冬
- スカート コーデ 秋
- スカート コーデ 20代
- スカート コーデ 30代
- スカート コーデ 40代
そこで、「40代」を除外キーワードとして設定すると、「スカート コーデ 40代」といったように「40代」を含むキーワードで検索された場合には広告が表示されなくなるわけです。
コンバージョンに繋がらないキーワードで広告が表示されなくなるようにすることで、CVRの高いキーワードに対してだけ広告を配信でき、結果としてCVRが高くなります。
広告を出稿する媒体を見直す
ECサイトが広告で集客する場合、広告を出稿する媒体を見直すことでCVRを改善できます。
一般的なWEB広告から商品購入に至るまでの流れは以下の通りです。
- ユーザーが広告をクリックする
- ランディングページが表示される
- 商品ページへ移動する
- 商品を選んでカートに入れる
- 商品を購入する
上記の場合、ユーザーは商品を購入するまでに複数のステップを踏む必要があるため、途中で離脱されてしまう恐れがあります。
一方、GoogleやInstagramのショッピング広告なら、ユーザーを商品ページへ直接誘導できるため、商品が購入されやすくなります。
【関連記事】
Googleショッピング広告とは?表示される場所・仕組み、出稿方法を解説
ランディングページを最適化する
WEB広告のCVRは、ランディングページを最適化することで改善できます。
ユーザーが広告をクリックしてランディングページを閲覧したとしても、コンバージョンを必ず獲得できるとは限りません。ユーザーがコンバージョンポイントへ移動し、なんらかのアクションを起こした時点でコンバージョンが初めて獲得できるからです。
コンバージョンポイントの手前でユーザーが離脱しないようにすることで、CVRを高めることができます。
ランディングページを最適化する方法は以下の通りです。
- CVポイントまでの導線を見直す
- CVポイントを増やす
- UX・UIを改善する
- ページ表示速度を早くする
- CTAを改善する
入力フォームを最適化する
ランディングページに設置した入力フォームを見直すことで、WEB広告のCVRを改善できます。
前述したランディングページの最適化によってユーザーをコンバージョンポイントへ誘導できたとしても、ユーザーが入力フォームへの入力を最後まで完了していなければ、コンバージョンを獲得できたことにはなりません。
FullStory社の調査によると、ユーザーは以下のような要因で入力フォームから離脱しています。
- セキュリティ上の懸念:29%
- フォームの長さ:27%
- 広告やアップセル:11%
- フォームが長すぎる:10%
参考資料:Form abandonment: How to avoid it and increase your conversion rates
入力フォームを最適化することでコンバージョン数が増加し、CVRが高くなります。
ABテストを実施する
WEB広告のCVRは、ABテストを実施することで改善できます。
ここまで紹介したようにCVRを改善する方法にはさまざまなものがありますが、それぞれの方法で確実にCVRが高くなるとは限りません。今よりCVRが低下したり、何も変わらなかったりする可能性もあるわけです。
上記のような問題を解消するために、ABテストという手法があります。
ABテストとは、2つの施策を交互に実施し、どちらがより効果的なのかを検証する手法です。
たとえば、赤と青のCTAボタンを用意してそれぞれを交互に表示させ、それぞれで獲得できたコンバージョン数を比較することで、施策を継続しても問題ないかを確認します。
まとめ
出稿している広告のCVRを改善することは、広告の費用対効果を高めるために欠かせない施策です。
この記事で紹介したようにCVRの改善方法にはさまざまなものがありますが、状況を正確に把握せずに施策を実施しても効果が出るとは限りません。
Googleアナリティクスやヒートマップツールを活用することで現状の課題を把握し、CVRの改善に取り組みましょう。