マーケティングオートメーションとは、顧客情報の収集や見込み顧客の育成、データ分析、販売促進などのマーケティング活動を効率化・自動化するツールです。
マーケティングオートメーションの導入を検討している方は、以下のように考えているのではないでしょうか。
「マーケティングオートメーションを導入するなら失敗したくない」
「ほかの企業はどのようにマーケティングオートメーションを活用しているの?」
マーケティングオートメーションを導入する際には時間や金銭的なコストがかかるため、活用事例を参考にする点が重要です。
そこで本記事では、以下の目的別にマーケティングオートメーションを活用した事例を紹介します。
- データ分析
- リード獲得
- BtoC
マーケティングオートメーションを活用する際のポイントまで解説しますので、導入の成功につなげてください。
目次
マーケティングオートメーションをデータ分析に活用した事例3選
マーケティングオートメーションをデータ分析に活用した事例を紹介します。
- 株式会社ベネッセコーポレーション
- テモナ株式会社
- 株式会社ブイキューブ
1.株式会社ベネッセコーポレーション
教育事業を手がける株式会社ベネッセコーポレーションは、マーケティングオートメーションを導入して200サイトにわたる顧客行動を可視化しました。
WEBサイトからの資料請求や入会を増やすため、訪問者の動向把握を目的としています。
マーケティングオートメーションを導入することで、グループのサイトを一元分析でき、コンバージョン数向上につながるデータを把握できています。
それにより、ベネッセコーポレーションの学習塾サイトの顧客数は以前の2倍以上になりました。
参考:Adobe Experience Cloud「株式会社ベネッセコーポレーション」
2.テモナ株式会社
サブスクリプションにおける関連事業を展開しているテモナ株式会社は「営業チームに良質なリードを送る」ミッションを掲げ、マーケティングオートメーションを導入しました。
既存顧客データをマーケティングオートメーションに集約し、ペルソナを設定・スコアリングしています。
スコアの数値が一定以上になった際には、営業に渡すルールを設けることで、受注確度の高い顧客へのアプローチに成功しています。
参考:テモナ「ニュース」
3.株式会社ブイキューブ
株式会社ブイキューブは、BtoB向けビジュアルコミュニケーションサービスの開発・展開をしている企業です。
以前までは、SEO(検索エンジンからの流入数を増やす取り組み)やSEM(検索エンジンを使ったマーケティング手法)などの施策をおこない、見込み顧客を獲得していました。しかし、どの方法が売上に直結しているかわからない状況に悩んでいたのです。
そこでマーケティングオートメーションを導入して、コンテンツをダウンロードした見込み顧客を特定し、施策の効果を確認しています。それにより、確度の高い見込み顧客にアプローチできる体制を作りました。
結果として、獲得リード数を2倍・新規顧客単価1.65倍を達成しています。
参考:HubSpot「株式会社ブイキューブ」
マーケティングオートメーションをリード獲得に活用した事例3選
マーケティングオートメーションをリード(見込み顧客)獲得に活用した事例を紹介します。
- 株式会社日本経済新聞社
- シンコム・システムズ(Cincom Systems Inc.)
- VAIO株式会社
1.株式会社日本経済新聞社
株式会社日本経済新聞社は、マーケティングオートメーションを導入して、WEBサイトの閲覧履歴から確度の高い見込み顧客を判断して、インサイドセールスにつなげる施策をとっています。
また、資料のダウンロードのみといった興味度合いの低い見込み顧客に対しては、職種ごとの活用事例やトライアルを訴求するコンテンツをメルマガで案内しています。顧客の状況をマーケティングオートメーションを使用し分析して、アプローチにつなげているのです。
その結果、商談につながる見込み顧客の獲得件数が2倍になりました。
参考:MarkeZine「“プロダクト横断型”のマーケ組織を確立/日本経済新聞社が1年でリード獲得数を2倍にした方法とは?」
2.シンコム・システムズ(Cincom Systems Inc.)
BtoB専門のソフトフェア開発・販売をおこなうシンコム・システムズ(Cincom Systems Inc.)は、世界各国で事業を展開しており、各国の顧客情報の取得に課題を感じていました。
そこで、マーケティングオートメーションを導入し、メルマガのコンテンツをタグ付けして顧客の興味を分析、売れる商品の予想を立てています。マーケティングオートメーションにより、優先的にアプローチする顧客に対して、売り込める商品を自動的に抽出しました。
それにより、メルマガの開封率は約2,000倍増加し、新規見込み顧客や購買顧客増加につながっています。
参考:SiNCE「メルマガ開封率2000倍!マーケティング・オートメーション成功例」
3.VAIO株式会社
ノートPCブランドのVAIO株式会社は「長期スパンでコミュニケーションを継続することで、自社のファンを増やす」ことを目的としています。
目的を達成するために、マーケティングオートメーションを活用して、現在の見込み顧客数やアポ数、訪問数などを可視化する施策を取りました。
それにより、顧客の行動が明確に見え商談が進めやすくなり、目標リード数を大きく上回る成果を出しています。
参考:Adobe Experience Cloud「VAIO株式会社」
マーケティングオートメーションをBtoCに活用した事例3選
マーケティングオートメーションを活用して一般消費者の獲得につなげた事例を紹介します。
- 株式会社フードサポート四国
- サンスター株式会社
- 株式会社ビープラウド
1.株式会社フードサポート四国
食材宅配サービス「ヨシケイ」を運営する株式会社フードサポート四国は、ポスティングといったアプローチの効果低迷に悩んでいました。
そこで、マーケティングオートメーションを導入し、WEBサイトへの訪問者やメール閲覧者などの購買意欲の高い方を対象に、価値ある情報発信をおこなっています。
それにより、購買意欲を高められ、資料請求の件数や継続利用率の向上などの成果につながっています。
参考:SATORI「人海戦術による営業活動からの変革を目指して。少ないリソースでマーケティング活動を実践できる「SATORI」を導入!」
2.サンスター株式会社
オーラルケアや健康食品などの販売を手がけるサンスター株式会社は、既存顧客の増加を目的にマーケティングオートメーションを導入しました。
これまで、プッシュ型のマーケティングのみをおこなっていたため、そのほかの販売戦略を取り入れることが目的です。
具体的な施策として、顧客ごとの購買プロセスを可視化しました。商品やセグメント別の購買パターンを理解して、顧客ごとへのアプローチを考えるきっかけになっています。
そして、得られたデータから、顧客にあわせてLINEやメール配信などを行っています。
マーケティングオートメーションを取り入れることで、顧客視点のマーケティングができるようになったのです。
参考:カスタマーリングス「活用事例インタビュー」
3.株式会社ビープラウド
株式会社ビープラウドは、Pythonのオンライン学習サービスを提供している企業です。BtoC向けのサービスの認知度を高めるために、マーケティングオートメーションを導入しました。
マーケティングオートメーションを利用して、メルマガの内容を以下の流れで配信しています。
- プログラミングへの関心を高める
- Pythonへの興味を強める
- オンライン学習への関心を高める
- 無料使用に申しこむ
顧客の関心度合いに合ったマーケティング施策により、常時300件の見込み顧客を確保でき、メルマガの無料試用のコンバージョン率は56%を達成しています。
参考:Adobe Experience Cloud「株式会社ビープラウド」
マーケティングオートメーションを活用する際のポイント2選
マーケティングオートメーションを活用する際には、以下のポイントを意識してみてください。
- リソースを確保する
- 部門間で連携する
1.リソースを確保する
マーケティングオートメーションを自社に取り入れる際には、属人化を避けるため、人的リソースを確保する必要があります。
例えば、マーケティングオートメーションを管理する責任者を任命して、以下のような運用担当者を決めてください。
- ツール運用
- 効果測定
- 改善策立案
- 顧客管理
- メールマーケティング
そのなかでも効果測定や改善策立案といった手間のかかる業務は、一人に負担がかかるのを防ぐため、複数の担当者を指名するようにしましょう。
体制を整理して、マーケティングオートメーションを有効活用できるようにしてください。
2.部門間で連携する
マーケティングオートメーションは、新規受注・売上向上が目的であるため、顧客との接点が多い営業部門と連携しましょう。
具体的には、営業部門から、受注した案件の商談成立までの流れや顧客からの質問・意見・困りごとなどを聞く点が求められます。
社内で部門間共有ができていると、マーケティングオートメーションを利用する際に、顧客に合ったアプローチができたり、効果測定がしやすくなったりします。
まとめ
本記事では、マーケティングオートメーションを活用した以下の事例を解説しました。
- マーケティングオートメーションをデータ分析に活用した事例
- マーケティングオートメーションをリード獲得に活用した事例
- マーケティングオートメーションをBtoCに活用した事例
マーケティングオートメーションは、業務の効率化や顧客獲得などに活用できます。
本記事で紹介したマーケティングオートメーションの活用事例を理解して、自社の売上向上につなげてください。